屋根工事のタイミングは?屋根材別に劣化症状を解説
建物を守る重要な役割を果たす屋根は、築年数の経過に伴い劣化するため、定期的にメンテナンスや修繕工事を行う必要があります。本記事では、屋根工事を行うタイミングを見極めるポイントを解説します。
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屋根工事のタイミングを見極めるポイント
屋根工事を行うタイミングを見極めるポイントは、以下の3つです。
- 築年数
- 劣化状況
- トラブルの有無
築年数
屋根の耐用年数は、屋根材の種類によって異なります。以下を参考に、耐用年数が近づいている場合は、屋根工事を検討しましょう。
屋根材の種類 | 耐用年数 |
---|---|
釉薬瓦(陶器瓦) | 40年~60年 |
セメント瓦 | 20年~40年 |
トタン | 15年~20年 |
スレート | 15年~20年 |
ガルバリウム鋼板 | 20年~30年 |
ステンレス | 30年~50年 |
アスファルトシングル | 15年~20年 |
屋根材の下に使われる防水シートは、20年~30年で劣化します。瓦やステンレス素材のような耐用年数が長い屋根でも、防水シートが劣化して工事が必要になるケースもあるので、注意が必要です。
劣化状況
屋根の劣化スピードは、環境によって大きく異なります。状況によっては、耐用年数の範囲内でも工事が必要になります。屋根に色あせや塗膜の浮きやはがれ、コケ、サビなどの劣化が見られる場合は、工事を検討するべきです。屋根の状況を確認するには、屋根に登らなければなりませんが、素人が登るのは怪我のリスクがあり危険です。屋根の点検は専門業者に依頼しましょう。
トラブルの有無
大雨や台風の後に、雨漏りが発生したり、屋根が破損したりした場合は、早急に対処するべきです。放置すると、被害が拡大して大がかりな修繕工事が必要となり、費用が高くなるため注意しましょう。
【屋根材別】屋根工事のタイミング
屋根材別に劣化のチェックポイントと、適切な工事のタイミングを紹介します。
トタン屋根
トタンは、導入コストが低く、軽量で耐震性に優れた屋根材です。耐用年数は15年~20年ですが、5年~10年に1度は塗装工事が必要です。トタンはサビが拡大しやすいため、以下の劣化症状が見られた場合は、早急に対処しましょう。
- サビ
- 色あせ
- 塗膜のふくれ・はがれ
- 棟板金のめくれ
スレート屋根
スレート屋根の耐用年数は15年~20年です。スレート屋根は定期的な塗装の塗り替えが必要ですが、メンテナンスを行っていないと、耐用年数内でも劣化が見られることがあります。また、以下のスレート屋根の主な劣化症状が見られた場合も、工事を検討するタイミングです。
- ひび割れ・欠け
- 棟板金の浮き
- 色あせ
- 塗膜のはがれ
セメント瓦
セメント瓦とは、セメントと砂を主原料として、高耐久性塗料で塗装した瓦のことです。耐用年数は20年〜40年と比較的長いです。また耐火性に優れている、安価でデザインが豊富であるといったメリットがあります。セメント瓦の塗装は経年により劣化するため、10年を目安に塗装のメンテナンスが必要です。また、以下の劣化症状が発生した場合は、耐用年数内でも工事を検討しましょう。
- ズレ・ひび割れ
- 漆喰のはがれ
- 色あせ
- カビ・藻の発生
- 防水シートの劣化
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、軽量で耐久性が高いため人気の屋根材です。耐用年数は20年~30年と比較的長いですが、海岸部や工場付近など、塩分や酸性の物質が多く含まれる場所は、腐食により寿命が短くなりがちです。以下の劣化症状が見られるのであれば、耐用年数内であってもメンテナンスや工事を検討しましょう。
- サビ
- 色あせ・変色
- 塗膜のはがれ
- 釘などの浮き
- 屋根材のめくれ
屋根工事のタイミングは素材や劣化状況に合わせて選ぼう
屋根工事の適切なタイミングを見極めるポイントは、築年数、劣化状況、トラブルの有無の3つです。劣化状況は屋根材によって異なるケースがあるため、自宅の屋根材の種類や特徴を把握しておくことも大切です。